2018年1月 5日 (金)

VOL.8 映画監督 荻上 直子さん

Vol.8より、『ほっとおたふく』の対談企画は「職×食 プロフェッショナルの食卓」にリニューアル。
職人(プロ)ならではの食や仕事のこだわりを伺います。


季刊誌『ほっとおたふく』vol.8のゲストは、映画監督の荻上直子さん。
監督の映画にはおいしそうな食事シーンが数々登場します。
オタフク東京本部ビルにて、お好み焼を召し上がっていただきながら、
海外ロケも多いお仕事や家庭での食事などについて伺いました。

Photo_21972年生まれ。千葉県出身。
南カリフォルニア大学大学院で映画製作を学ぶ。
2006年にはフィンランドオールロケの『かもめ食堂』が大ヒット。
『めがね』『レンタネコ』など、数々の作品の脚本・監督を務め、
女性を中心に多くの観客の共感を呼ぶ。
2017年には5年ぶりとなる最新作『彼らが本気で編むときは、』が公開。
第67回ベルリン国際映画祭テディ賞
(LGBTをテーマとした、優れた映画に与えられる賞)審査員特別賞を受賞し、話題となった。 

-----------------------------------------------------------------------------------------


●海外での食材調達
海外ロケのご経験も豊富な荻上監督。
昔は現地で日本の食材や調味料が手に入らず、
持参しなくてはならなかったため大変だったそう。
「今では大きなスーパーにはお米もお豆腐もあるし、日本の食材が揃っているので、
あまり苦労しない。日本食が食べられるお店も多い」と、
日本食が手軽になってきたことを喜ばれていました。

_dsc7517
●最新作は海外でも評判に

Photo_3

最新作の『彼らが本気で編むときは、』は海外でも評判になり、
多くの映画祭で上映されました。
物語に対する捉え方は国ごとであまり差がないそうですが、
「笑いどころは少し違う」と荻上監督。
ネコのおにぎりが入ったキャラ弁がスクリーンに登場するシーンでは、
観客から歓声が上がったそうで、
「日本独特のキャラ弁が珍しかったのかも」と振り返られていました。

 

 

 

 

 
●食事は楽しい時間

プライベートでは二人のお子さんのお母さんである荻上監督。
お子さんの好き嫌いについての質問には、
「子どもには好き嫌いをなくすよりも、おいしく食べてほしい。
大人になれば味覚は変わったりするから、無理に全部食べるよりも、
楽しく食べてほしい」と監督。
食事はみんなで共有する楽しい時間という想いを、垣間見ることができました。

3

 

●不完全なものだから面白い
『彼らが本気で編むときは、』では、
「鯉にえさを与えないでください」という池の近くにある立て札のアップと、
登場人物が鯉にえさをやる場面が数回登場します。
これは「決められたルールに反抗したい」という
ご自身の気持ちが表れているそうです。
「完璧な人を見ていてもつまらない。不完全だからこそ面白い」と言われる監督らしい、
完全ではない日常の良さや尊さが表現されたシーンも見所です。

_dsc7731_2

(編集部)