今回の対談ゲストは、建築設計事務所の代表として、
若いスタッフを束ねている建築家の吉田愛さん。
不規則になりがちな職場の食環境を改善するため、
2017年に一般の人も利用出来る社員食堂「社食堂」を事務所内にオープンし、
自社で運営しています。
新たな価値を提案し続ける吉田さんのお話には、発想のヒントが隠れていました。
カフェでバイトをしていた経験もあり、
建築家になる以前から「食」への関心が高かったという吉田さん。
「『いただきます』や『ごちそうさま』は礼儀作法としてだけでなく、
命をいただくことや、生産者や料理してくれた人への感謝の気持ちとして大切にしています。
言わないスタッフがいたら叱ります(笑)」と話してくださいました。
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広島に本社を構える建築設計事務所「サポーズデザインオフィス」代表、建築家。
2001年より、現在の事務所で共同代表を務める谷尻誠氏とともに住宅や商業施設、
インテリアなどの設計やデザインを手がけ、2008年に東京事務所を設置。
建築やアートなど、国内外のさまざまなプロジェクトに関わっている。
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●“ちょっとした違和感”を大切に
「社食堂」人気メニューの1つが、野菜と果物をたっぷり使用したキーマカレー。
併設のショップではレトルト商品も作って販売されています。
そのおいしさのポイントは、山椒。
「カレーに山椒だなんて、意外な組み合わせですが、クセになるおいしさです。
地元広島の名物、汁なし担々麺からヒントを得たんです。
汁なし担々麺もミンチと山椒の組み合わせなので、
キーマカレーにも合うはず!と思いました」と吉田さん。
建築の仕事においても、ありそうでなかった組み合わせや、
“ちょっとした違和感”を大切にしているのだそうです。
●インドで知った、奥深いスパイスの世界
吉田さんにとっては私生活のさまざまな経験が、
クリエイティビティの源泉になっているようです。
「インドを旅行した時に、手で食べたカレーに“えもいわれぬ旨さ”を感じました。
少しずつ混ぜて食べると、どんどん味が変化していくんです」。
そんな経験から、最近はスパイスに興味を持つようになったのだとか。
「新たなお店の構想もあるので、スパイスのことをちゃんと勉強して、
いつか実現させたいですね」。
●広島にも「社食堂」がオープン予定
吉田さんの故郷でもある広島に、サポーズデザインオフィスが運営する初のホテルが、
2020年に誕生予定です。
広島の事務所も同じ建物に入居し、「社食堂」もオープンするのだとか。
「広島の『社食堂』は、夜のメニューもしっかり充実させたいと思っています。
東京とはちょっと違う雰囲気にしたいと思っています」とのこと。
広島在住の編集部スタッフも、「今から待ち遠しい!」と、思わず興奮してしまいました。
(編集部)