2021年7月 1日 (木)

今回の対談ゲストは、1970年代から世界各国を旅し、

さまざまな食のルーツやレシピを研究している荻野恭子さん。

ユーラシア大陸を中心に65カ国を訪れた

荻野さんの毎日に欠かせないものや、

子ども時代の思い出などもお聞きしました

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荻野さんが大切にされていることとして

書いてくださったのは、とてもシンプルな言葉。

「生きることはバランスだと思うんです。

食べることもそうだし、仕事でも人間関係においても、

バランスを崩すと何事もうまくいきません。

健康的で充実した毎日を過ごすための基本として、

バランスを心掛けています」

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東京・浅草生まれ。女子栄養短期大学卒業。

和・洋・中・エスニックのエキスパートから

料理技術を修得。

食文化研究の旅をしつつ、料理教室の主宰やメディア出演、

レシピ本やエッセイの執筆など多方面で活躍。

近著は『塩水に漬けるだけ!乳酸発酵の体にいい!

おいしいおかず』(学研プラス)、

『ビーツ、私のふだん料理』(扶桑社)など。

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 ●毎日、元気で過ごす秘訣とは!?

海外に出かける時に限らず、

国内でも常に荻野さんのバッグに入っているのが、塩。

「明治生まれの祖母から、『塩は薬』と聞かされて育ったので

いつでも使えるよう常備しています。

例えば腹痛や便秘の時は塩湯を飲みます。

また、水カップ1に塩小さじ1を溶いて、

うがいはもちろん、鼻洗いや目洗いにも使っています」。

荻野さんにとって、塩は調味料としてだけでなく、

日々元気で過ごすために欠かせないもののようです。

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駄菓子屋で食べたもんじゃ焼の思い出

対談では世界の粉もの料理のことが話題にのぼったので、

ご自身の粉ものの思い出についてもお聞きしました。

東京の下町育ちの荻野さんは、

子どものころのおやつといえば、

毎日のようにもんじゃ焼だったそう。

「昔は駄菓子屋に入ると奥に鉄板のテーブルがあり、

近所の子どもたちが集まっていたものです。

具は主にキャベツ、天かす、サクラエビ。

当時は確か、5円か10円くらいで食べることができましたね」。

ご結婚後にはお子様たちとホットプレートで楽しむようになり、

チーズや明太子も定番の具に。

「世界中で粉ものを食べてきましたが、今思えば、

子どもの頃から粉もので育ったんですね」

と話してくださいました。

 

 

●異国のマーケットのようなサロン

_dsc5472_7今回は荻野さんのサロンにお邪魔させていただき、

対談を行いました。

さまざまな国の雑貨や食器などが

センス良く飾られた室内は、

どこか異国のような雰囲気で心地よい空間。

「旅先で気に入ったものを買い集めてきたので、

マーケットのように賑やかな部屋になっちゃいました。

でもいろんな国でいろんな生活を見てきて思うのは、

遊牧民のような生活が理想的だなということ。

必要なのは着替え3組と少しのお金。

でも現実は…」と笑っておられました。

 

 

●家庭でも気軽に、手打ちうどん

用意してくださったウズベキスタン料理の「ラグマン」。

うどんによく似た麺も、

荻野さんが粉から練って作ってくださいました。

荻野さんは普段から、

うどんは既製品ではなく手打ちするのだとか。

「小麦粉に塩と水を加えて生地を作り、

寝かせる間におだしや具の準備をするので、

それほど時間もかかりませんよ。

麺にせず、“ひっつみ”のように手でちぎってもいいですね」。

荻野さんのお話をお聞きしていると、

手のかかる印象の手打ち麺にも、気軽に挑戦してみたくなりました。

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(編集部)

※感染防止対策をした上で、マスクを外して撮影しています