ゲストは、雑誌を中心に「食」や「暮らし」のテーマを多く執筆されている、
エッセイストの平松洋子さん。
読み手を自然とその世界に引き込んでしまう、丁寧な描写とともに、
軽妙なテンポで、男女問わず多くのファンから支持されています。
国内外を飛び回り、食文化が息づく現地や生産者を訪ねて、五感で確かめながら取材をして書く、
その貫かれているスタイルやご自身の食事に対する考え方など、楽しいお話をたくさん伺いました。
1958年、岡山県倉敷市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。
雑誌、週刊誌、webなど食文化や暮らしをテーマに執筆活動を行う。
2006年『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。
2012年『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞受賞。
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●初めて入るお店は気合を入れて
これまでたくさんのお店を取材してこられた平松さん。
「雑誌で紹介されているからとか、〇〇さんが絶対ここって言っていたとか、
そういった情報を頼りにすることはなく、自分にとって相性のいい店を探す」
というのが基本スタイルです。
経験則があるので、
「100件行って、100件とも全部ってことはないんだけど、
醸し出してくる空気でこの店いいかも」と、直感が働くとも。
違ったなと思ったら「すーっと開けた入り口のドアをそっと閉める勇気も必要」と、
裏話も教えてくださいました。
●ジビエが好き
平松さんは、イノシシやシカなどのジビエが好物。
北海道へシカ猟に同行し、シカの解体を手伝ったこともあるのだそうです。
自然の中で生きるために森の植物や木の実などを食べてきた動物は、
牛や豚といった人間が飼育した家畜とは根本的に味が違うと語られる平松さん。
「硬く弾力のある肉から、さっきまで大自然を駆け回っていたエネルギーを
ダイレクトに感じられる」ような味わいの特徴があるのだそうです。
●食べるときに気合がいるのは「虫」
食べられない物は特になく、あえていうなら「虫」。
子どものころに食べる習慣がなかったから、
「よし!」と気合を入れないと食べられないと話す平松さん。
それでも取材先に行けば、その土地の文化を感じるために拒まず試食にトライ。
「タガメは潰すと柑橘系の香りがするんです。
パパイヤのせん切りにまぶしてライムを絞り、
ナンプラーと唐辛子で食べたらとてもおいしかった」とのこと。
こうした経験をすることで、
「おいしくなさそうとか思いこむのは、
自分の育った文化の中での狭い話」
と改めて認識されるそうです。
●盛り上がった油揚げレシピ
好物の油揚げの話題では、おすすめの料理を教えてくださいました。
中でも驚いたのがカレーライス。
「お肉の代わりに油揚げを入れると、コクが出ておいしい」とのこと。
「カレーには入れたことがないですね。食べてみたいです」
と興味津々な佐々木も、続けて
「お好み焼には、豚肉の代わりに入れることがありますよ。
ベジタリアンの方に喜ばれます」と紹介。
「油揚げ入りのお好み焼は食べたことないですね。おいしそう」
と作り方を教え合って盛り上がりました。
(編集部)