ゲストは、NHK「龍馬伝」や「美の壺」などのテレビ番組の題字をはじめ、
個展や書のワークショップなど、多方面で活躍中の
書家でアーティストの紫舟さん。
日本の伝統的な「書」の概念を覆すような作品を生み出し、
世界を舞台に発信を続けています。しなやかでありながらも、
芯のある力強い作品はどのようにして生み出されているのか、
創作活動のエネルギー源となる食事のとり方などお話しいただきました。
書家・アーティスト。幼少より書や日本舞踊などの教養を身につけた後、
奈良・京都で幅広く本物の和や伝統美の研鑽を積む。
日本では天皇皇后両陛下が御成りになり紫舟展を御覧。
世界ではフランス・ルーヴル美術館地下会場、
フランス国民美術協会展において金賞と審査員賞金賞をダブル受賞。
イタリア・ミラノ国際万博 日本館の作品を担当、金賞受賞。
文字が内包する感情や理を表現するその作品は、世界へ日本の文化や思想を発信し、
書の領域を超えた現代アートと評されている。
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●色紙に表れる“心配り”
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
何事も度が過ぎると足りないのと同じぐらい良くないということ。
規則正しい生活をおくり、
自制心を持って創作活動に臨む紫舟さんからいただいた言葉は、心に響きます。
もう1枚の色紙にサインをお願いすると、
サインの他にススっと何やら描き始められた紫舟さん。
それがオタフクのイラストだと分かった瞬間、
感動のあまり編集部一同、歓声が沸きました。
思いがけない紫舟さんの粋な心配りや素敵なイラストは、
まさに、アートに“価値観をひっくり返された”瞬間となりました。
●「道」を学ぶ、とは
ご両親は、幼いころから甘えを許さず、しつけも厳しかったそうです。
「子どもは楽しいことをやりたいものですが、書“道”のように、
日本の「道」を学ぶというのは「楽」ではないですよね。
我慢と努力、信念とか必要で。
その答えを知ればいいわけじゃなくて、
その答えにたどり着く道こそが、学び。
だから、我慢も、できるだけ小さいころに身につけなければいけない」
と話してくださいました。
幼いころから書の道を歩まれてきた紫舟さん。
2018年11月には、10年間の創作活動の中から180点を厳選した
初の作品集「Creator: A Collection of Works by Sisyu」を発刊されました。
※100部限定の豪華本を蔦屋書店で販売。
詳しくはホームページをご覧ください
http://www.e-sisyu.com/works/sakuhinshu
●複雑な味が理解できるのは成長の証
「子どものころはみんな、メロンが好き、ミョウガは嫌い、
のように、シンプルな味を好むもの。
ですが大人になると、キンカンのような苦くもあり甘くて酸っぱい
というような複雑な味が理解できるようになりますよね」
とトルコ料理の複雑な味のおいしさに次第に気づいた、
ご自身の経験を交えてお話しされた紫舟さん。
「熟成されたワインやカビの生えたチーズなどが、
日本の食生活にワインやチーズが定着した後に受け入れられたように、
少しずつ複雑性を理解できるようになること、
それが成長や発展なのだと思います」と続けられ、
多角的な視点でとらえる紫舟さんならではのお考えがうかがえました。
●お好みソースはジュース!?
紫舟さんのアトリエでは、スタッフの皆さんと一緒に食べる社食で、
お好み焼や焼そばをよく作られるそうです。
「焼そばは、まさにお好みソースそのものの味。
炒めたものにお好みソースをかけたらおいしくなる」
という紫舟さんは、そばめしを作るときも、
お好みソースをたっぷり使って作られるとか。
「お好みソースにはフルーツがたくさん使われているでしょう?
だから、お好みソースはジュースなんですよ」と、
独特の表現も飛び出しました。
●“追い酢”をするほど酸味が好き
野菜をよく食べられる紫舟さんに、佐々木がオタフクの「ピクルスの酢」を紹介しました。
漬物をはじめ、酸味があるものがお好きのようで、
「サンラータンや黒酢あんかけに“追い酢”をすることもあるほど、
酸味を効かせて食べるのが好き」なのだそうです。
(編集部)