今回の対談ゲストは、スポーツ栄養学の第一人者であり、
スポーツ選手を栄養面からサポートする
「公認スポーツ栄養士」の資格創設にも携わった鈴木志保子さん。
大学で教鞭を執りながら、現場でのサポートや、
公認スポーツ栄養士の活躍の場を広げるための活動に取り組んでいらっしゃいます。
仕事内容をはじめ、ご自身の食事やプライベートな話題などもお話いただきました。
「食べて『おいしい』と感じることも大事なのですが、
味覚だけで判断するのではなく、
『体にとってもおいしいものなのか』、『細胞が喜ぶものなのか』。
そういう意識をもって食べてほしいと願っています」と、
メッセージに込めた思いを熱く話してくださいました。
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神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)理事長。
実践女子大学卒業後、同大学大学院修了。
東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)取得。
日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、
東京2020大会選手村メニューアドバイザリー委員会副座長なども務める。
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●1日の栄養を朝食でしっかりチャージ。
社会人大学院生への講義もされる鈴木さん。
夜に行われるため、遅くまで仕事をして、帰宅が深夜になることも多く、
「夕食は不規則になるので、その分、朝食を大事にしています。
ほとんどの栄養を朝食で取っているといっていいほどです。
朝食は毎日同じようなものを食べても飽きないのが不思議ですよね」
と鈴木さん。
毎朝欠かさないのは、ヨーグルトなどの乳製品と乳酸菌飲料だそう。
●更年期の症状に悩まされることも。
「更年期については学生に教えているので、
私自身も『よし、いつでも来い!』と覚悟していたつもりですが、
実際に自分の身に起こると驚いてしまいました」。
とてもエネルギッシュな鈴木さんですが、50代に入り、
更年期特有の症状に悩まされることもあるそうです。
特に驚いたと言われたのが更年期の揺さぶり
(ホルモンバランスによる心と体の不調)。
「お陰で以前より、
臨場感をもって学生に伝えられるようになっていると思います(笑)。
運が良ければホットフラッシュも見せてあげられるのに、なんて(笑)」。
更年期の実体験を、ユーモアを交えて話してくださり、
編集部の女性スタッフたちも勇気付けられました。
●遠征先では地元のスーパーへ行くのが好き。
アスリートのサポートや講演などで地方や海外を訪れると、
地元の人がおいしいというものを食べることが多いのだとか。
「おいしいお店へ食べに行くのはもちろん、
その土地のスーパーへ行ってさまざまな食材を見るのも大好きです。
東京では売られていないものがたくさん並べられているのが、
すごく楽しいですね」。
愛媛県の直売所で出合った、苦くないピーマンは、
わずかな空き時間に買いに行くくらいお気に入りになったのだそうです。
●“なりたい自分”につながるスポーツ栄養。
スポーツ栄養というと、
アスリートや日常的に運動している人のためのものと思われがちですが、
決してそんなことはないと鈴木さんは言われます。
「どんな方も若いうちから、
“自分のためにどう食べるか”を意識してもらいたいですね。
“なりたい自分”に近づくために、
栄養面でのトータルコーディネートをするのも、スポーツ栄養の役割です」。
“人は食べたものでできている”ということを改めて認識し、
普段から何を選んで食べるかが大切なのだと感じられた対談でした。
(編集部)