今回の対談ゲストは、1970年代から世界各国を旅し、
さまざまな食のルーツやレシピを研究している荻野恭子さん。
ユーラシア大陸を中心に65カ国を訪れた
荻野さんの毎日に欠かせないものや、
子ども時代の思い出などもお聞きしました
荻野さんが大切にされていることとして
書いてくださったのは、とてもシンプルな言葉。
「生きることはバランスだと思うんです。
食べることもそうだし、仕事でも人間関係においても、
バランスを崩すと何事もうまくいきません。
健康的で充実した毎日を過ごすための基本として、
バランスを心掛けています」
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東京・浅草生まれ。女子栄養短期大学卒業。
和・洋・中・エスニックのエキスパートから
料理技術を修得。
食文化研究の旅をしつつ、料理教室の主宰やメディア出演、
レシピ本やエッセイの執筆など多方面で活躍。
近著は『塩水に漬けるだけ!乳酸発酵の体にいい!
おいしいおかず』(学研プラス)、
『ビーツ、私のふだん料理』(扶桑社)など。
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●毎日、元気で過ごす秘訣とは!?
海外に出かける時に限らず、
国内でも常に荻野さんのバッグに入っているのが、塩。
「明治生まれの祖母から、『塩は薬』と聞かされて育ったので
いつでも使えるよう常備しています。
例えば腹痛や便秘の時は塩湯を飲みます。
また、水カップ1に塩小さじ1を溶いて、
うがいはもちろん、鼻洗いや目洗いにも使っています」。
荻野さんにとって、塩は調味料としてだけでなく、
日々元気で過ごすために欠かせないもののようです。
●駄菓子屋で食べたもんじゃ焼の思い出
対談では世界の粉もの料理のことが話題にのぼったので、
ご自身の粉ものの思い出についてもお聞きしました。
東京の下町育ちの荻野さんは、
子どものころのおやつといえば、
毎日のようにもんじゃ焼だったそう。
「昔は駄菓子屋に入ると奥に鉄板のテーブルがあり、
近所の子どもたちが集まっていたものです。
具は主にキャベツ、天かす、サクラエビ。
当時は確か、5円か10円くらいで食べることができましたね」。
ご結婚後にはお子様たちとホットプレートで楽しむようになり、
チーズや明太子も定番の具に。
「世界中で粉ものを食べてきましたが、今思えば、
子どもの頃から粉もので育ったんですね」
と話してくださいました。
●異国のマーケットのようなサロン
今回は荻野さんのサロンにお邪魔させていただき、
対談を行いました。
さまざまな国の雑貨や食器などが
センス良く飾られた室内は、
どこか異国のような雰囲気で心地よい空間。
「旅先で気に入ったものを買い集めてきたので、
マーケットのように賑やかな部屋になっちゃいました。
でもいろんな国でいろんな生活を見てきて思うのは、
遊牧民のような生活が理想的だなということ。
必要なのは着替え3組と少しのお金。
でも現実は…」と笑っておられました。
●家庭でも気軽に、手打ちうどん
用意してくださったウズベキスタン料理の「ラグマン」。
うどんによく似た麺も、
荻野さんが粉から練って作ってくださいました。
荻野さんは普段から、
うどんは既製品ではなく手打ちするのだとか。
「小麦粉に塩と水を加えて生地を作り、
寝かせる間におだしや具の準備をするので、
それほど時間もかかりませんよ。
麺にせず、“ひっつみ”のように手でちぎってもいいですね」。
荻野さんのお話をお聞きしていると、
手のかかる印象の手打ち麺にも、気軽に挑戦してみたくなりました。
(編集部)
※感染防止対策をした上で、マスクを外して撮影しています